息子(4)には、3歳のころから性教育を始めました。バービー人形を裸のままで公園に連れていこうとした時、
「裸で公園で遊んでいる子はいないでしょ。バービーもお洋服を着ないと恥ずかしいんだよ」
と言ってから、
「自分の体ってとっても大事で見せたくないところがある。だから、誰かが身体を触ってきたら、叫んでいいんだよ」
というところまで、つなげて教えることができました。
お風呂では、プライベートパーツは自分で洗わせています。大事なところは、たとえ親でも触らせてはいけない。その意識があれば、他者の体も心も大事にできるでしょう。まだ4歳とはいえ、もう4歳。価値観や発想がだんだん固くなっていくので、機を逃すことなく、自己肯定感と思いやりの土台作りをしています。
正しい性教育が浸透すると、消されてしまいがちな性被害が明るみに出るんじゃないかな。どんな時代にも、残念ながら「変態」は一定数います。重要なのは、被害に遭った時に自分を責めることなく、その手をつかんで「オラァッ」と言える力。それは「嫌なことは嫌だ」「私という価値ある人間になんてことをするんだ」という発想を持つことで培われるものです。その先に、セクハラや性犯罪が起きにくい社会があるのではないでしょうか。
(編集部・古田真梨子)
※AERA 2023年1月30日号