とはいえ、代表が人気を維持するためには、どんな「魅力的なストーリー」を作れるかも大事です。

やまもと・あつひさ/1973年、長野県生まれ。成城大学社会イノベーション学部教授。共編著に『日本代表論』など(photo 本人提供)
やまもと・あつひさ/1973年、長野県生まれ。成城大学社会イノベーション学部教授。共編著に『日本代表論』など(photo 本人提供)

 一握りの選手がヨーロッパに出ていって活躍する、そんなストーリーの長い長い賞味期限は終わりました。もう海外で活躍するのが当たり前の時代。世界中に散らばったスターたちが、代表で再集結したらどんなチームになるだろう。幼なじみの三笘薫選手(25)と田中碧(あお)選手(24)が海外から戻って代表でまた集結したらどうなるだろう。今大会はそんな新しいストーリーへの切り替えを皆が認識し始めたフェーズだったと思います。

 サッカー人気自体は根強くても、代表人気は露出が増えてホットイシュー化しているときのみ実現するもの。さめていく可能性はあります。

 しかし、ネット文化の感性と「新しい代表の見方」がうまく融合し始めたことには可能性を感じています。

(編集部・小長光哲郎)

AERA 2022年12月26日号

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小長光哲郎

小長光哲郎

ライター/AERA編集部 1966年、福岡県北九州市生まれ。月刊誌などの編集者を経て、2019年よりAERA編集部

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