許:僕は、自分で鏡を見て「痩せた」とか「垢抜けた」と感じた時は、やっぱりうれしい。パフォーマンスも、前より歌やダンスがうまくなっていると感じるとちょっとうれしい。自分の理想に近づけたと感じる「ちょっとしたうれしいこと」が日々のモチベーションです。自分がすてきだと思う人間になれればなれるほど、自己肯定感も上がるでしょう。

後藤:MINI(INIファンの呼称)を自分のパートナーだと思うこと。もっとかっこいいと思ってもらいたいから、「こういうことしてみよう」とトライしたり、体を作ったり。SNSでの感想やファンレターも読ませていただいていて、MINIが喜んでくれているのを実感できると、本当にうれしいです。

■高みを目指し続ける

藤牧:デビューしてから、上には上がいるということを目の当たりにして、「ここまでパフォーマンスがうまくなったら、もっと楽しくなるだろうな」と思ったり、「自分はまだまだだな」と思ったりすることがモチベーションになっています。

松田:僕は、自分が一番かっこいいと思ってパフォーマンスをすることです。そういう考えを芯に持つことが僕にとってベストだと思っているので、その部分が変わったら、僕ではなくなる。これからもずっと大切にしていきたいです。

佐野:アーティストには、自分自身が試行錯誤して、「こういうことをやったらきっとおもしろい」と思ったことを披露して、さまざまな人に観てもらえる場がある。それによってずっと高みを目指し続けられると思うので、すごくすてきな世界で、すてきな職業だなという実感が日々大きくなっています。

■支え合う存在でいたい

――INIは、それぞれにとってどんな存在なのだろうか。

許:最近、たまたまメンバーの家族と会う機会が多かったんです。自分の家族は中国にいて、まだ気軽に会える状況ではないので、メンバーの家族との挨拶(あいさつ)を重ねるうちに、メンバーが自分の第二の家族なんだなと感じました。いま、僕が頼れるのはメンバーしかいないですから。

田島:最優先の存在です。部屋のベッドの前にクリップでいろいろなものを貼っているスペースがあって、メンバーとの写真や自分の考えや目標を貼っているんですが、そこに「INI最優先」と書いてあります(笑)。

後藤:自分より高いスキルを持っているメンバーがたくさんいるので、「負けたくない」という気持ちでいますし、そこから学んでスキルアップしていることを実感できます。それに、「一緒にいて楽しい」とか、「こういうことをすると良くない」という気持ちにさせてくれるので、人としても自分を成長させてくれる場です。僕は、INIになる前より、自分のことが好きになりました。

尾崎:支えです。ドラマに出ていた時期、INIに戻ると安心感がありました。メンバーに支えられていると実感しましたし、僕もメンバーを支えられる存在になりたいと思っています。

高塚:「唯一の居場所」というと友達がいないように聞こえるかもしれませんが(笑)、本当に唯一無二ですね。もうINIではない自分は考えられない。そんなことは今まで一度もないですが、たとえグループ内で誰かと誰かがぶつかり合っても、INIはこの11人でINI。いくら兄弟と喧嘩しようがつながりが変わらないのと一緒で、家族みたいなものなんです。みんな人生の軸にINIがある。昨日も夜中までメンバーと会っていたけれど、翌日にこうやってまた会えて、「久しぶり!」がない状況でいたいです。

(構成・ライター/小松香里)

AERA 2022年12月19日号