生徒はイヤホンマイクを装着し、タブレット端末に解答を吹き込む。21年度のプレテストは約4億円で実施。22年度以降は、大学や都立高校など外部会場で行う。写真は19年度のプレテストの様子(photo 横関一浩)
生徒はイヤホンマイクを装着し、タブレット端末に解答を吹き込む。21年度のプレテストは約4億円で実施。22年度以降は、大学や都立高校など外部会場で行う。写真は19年度のプレテストの様子(photo 横関一浩)
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 来年度から都立高入試に導入予定の英語のスピーキングテスト。「公平な採点」はできるのか、指導を歪めるなど、懸念の声が止まらない。AERA 2022年2月21日号から。

【英語スピーキングテストの導入スケジュールはこちら】

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「スピーキングテストの採点は主観が入るので、どうしても採点者によるブレが生じるんです。ですから学校では複数で採点することが多く、評価が合わないときは丁寧にすり合わせをし協議します。判断に迷う微妙なケースも必ずあり、手間と時間もかかります。どう考えても、8万人分を短期間で公平・公正に採点することなど不可能。そうしたものを1点刻みで合否を争う、高校入試に組み込むことは問題ではないでしょうか」

 そう語るのは、東京都の公立中学の英語教員の女性(50)だ。都は、現在の中学2年生が受験年となる来年度の都立高校入試から英語スピーキングテスト「ESAT-J」(English Speaking Achievement Test for Junior High School Students)を導入する予定だ。対象は都の公立中学3年生全員と都立高校受験予定者の約8万人。11月下旬にテストを実施し、フィリピンで採点。1月中旬に成績票が渡される。ところが、かねてこのスピーキングテストには懸念の声が多くあがっていた。実施まで1年を切り、その声がさらに高まりを見せている。

■「使える英語力」の育成

 昨年12月末には英語教員や専門家による、中止を求める会見が都庁で開かれた。オンライン署名も行われており、約9千筆が集まっている。今年1月には大学入学共通テストの制度不備を指摘してきた「入試改革を考える会」も導入反対の会見を開き、吃音の専門家らも配慮を求める意見書を提出した。

 スピーキングテストは、都が2018年に策定した「グローバル人材育成計画」の一環で、「使える英語力」の育成が目的。19年度に1回目のプレテストを実施し、当初は今年度の入試から導入予定だったが、コロナの影響で1年延期された。

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