最後は「鍛える筋肉を意識する」。鍛えたい部分に負荷がかからなければ効果は得られない。反対に、筋肉痛が出たら、しっかり力が入っていた証拠だ。

「筋肉がつくと、基礎代謝が上がる。つまり、何もしなくても熱を生み出せる体に生まれ変わります。もちろんダイエットにも効果的。とはいえ、運動効果は貯金できないので、継続することが大切です」(同)

■代謝を上げるピンク筋

 もう一つ、久野教授が注目するのが「ピンク筋」だ。筋肉には短距離走などで瞬発的な力を発揮する「白筋(はっきん=速筋)」と、長距離走などで持久力を発揮する赤色の「赤筋(せっきん=遅筋)」がある。白筋は糖質を燃やし、赤筋は脂肪を燃やす。それが最近の研究で、継続的な運動により白筋がピンク色になることがわかってきた。ピンク筋は糖と脂肪、両方を燃やすことから、基礎代謝を上げる効果が高いという。

「日ごろ運動をしない人は、ほとんどピンク筋をもっていません。まずはスクワットで、ピンク筋を増やしましょう」(同)

 週に3~4日のまき割りスクワットに加え、日常生活でウォーキングなどの有酸素運動をするとさらによい。運動後30分以内にたんぱく質を取れば筋肉が育ちやすくなる。夕方の運動効果を述べたが、運動後にたんぱく質豊富な夕食を取れば一石二鳥だ。(編集部・小長光哲郎)

AERA 2020年11月23日号より抜粋

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小長光哲郎

小長光哲郎

ライター/AERA編集部 1966年、福岡県北九州市生まれ。月刊誌などの編集者を経て、2019年よりAERA編集部

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