予防接種していたのに白血病治療で免疫が消えて… ワクチンの認識に医師が警鐘 (2/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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予防接種していたのに白血病治療で免疫が消えて… ワクチンの認識に医師が警鐘

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濱木珠恵AERA#AERAオンライン限定
※写真はイメージです(gettyimages)

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濱木珠恵医師

濱木珠恵医師

 定期接種のワクチンを自費で接種するとして、その費用を計算してみる。

 医療機関やワクチンの種類にもよるが、1回(1本)の接種につき約5千円~1万円程かかる。複数のワクチンをそれぞれ1~4回ずつ接種しなければならない。定期接種だけでも20回以上の注射が必要だ。任意接種分も合わせると、ゆうに20万円ほどはかかる。

 予防接種の再接種の助成を決めるのは市区町村だ。一部には造血幹細胞移植後や抗がん剤治療後の再接種の費用を無料としている自治体もあるが、大半はそうではない。

 病気になったのは患者のせいではない。しかし定期接種を無料で受けることもできない。病気のために失った免疫をもう一度つけなおすために、20万円もの自己負担をして受けなければならないのだ。

 ナビタスクリニックでもワクチンの追加接種の相談も受けている。たとえば立川院では、近隣の総合病院から紹介をうけて、臍帯血移植後の成人の患者に免疫再構築のためのワクチン再接種を実施している。しかし支払いは患者の自費である。

 日本の造血幹細胞移植学会ガイドラインの予防接種の項(※1)には、移植後に必要な予防接種の種類と時期について説明があるが、治療後に必須であるにもかかわらず、ワクチンは治療とはみなされないため保険は効かない。感染予防のために必要であっても費用は助成されない。

 一方、アメリカ疾病予防管理センター(CDC; Centers for Disease Control and Prevention)のウェブサイト上にも、成人、小児それぞれに推奨される予防接種の種類が、化学療法後や造血幹細胞移植後などの条件を明記して細かく説明している(※2)。アメリカでは、政府と独立した予防接種諮問委員会(ACIP)が接種スケジュールなどを勧告している。政府所管の医療保険はもちろん、民間保険もこれらのワクチン費用をカバーしなければならず、自己負担を求めてはならない。なんらかの疾患の治療で免疫が低下してワクチンの再接種が必要になった場合も、このルールが適応される。


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