「セ・パ交流戦」「あの人、山根会長」 上司に隠れて若手が“隠語”を使う本当の理由 (1/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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「セ・パ交流戦」「あの人、山根会長」 上司に隠れて若手が“隠語”を使う本当の理由

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福井しほAERA#働き方
隠語が生まれやすいのは「腹を割って話しづらい職場」と専門家(写真/gettyimages)

隠語が生まれやすいのは「腹を割って話しづらい職場」と専門家(写真/gettyimages)

AERA 2019年10月7日号より

AERA 2019年10月7日号より

AERA 2019年10月7日号より

AERA 2019年10月7日号より

「それ、ボタンですよ」

 都内の大手IT企業に転職したばかりの男性(45)は、飲みの席で聞き慣れない言葉を耳にした。

【要チェック!】この言葉の意味知ってる!? 社内隠語のリストはこちら

 場所は中年のオアシス、大手居酒屋チェーン店。ビールジョッキを片手に、業務上の予算が少ないことを後輩女性に相談していたが、男性がふと発したひと言で、そう“牽制”された。無論、料理やドリンクの注文で店員を呼ぶあのボタン、ではない。男性が言う。

「うちの会社では、セクハラやパワハラを社内窓口に通報することを、『ボタンを押す』と言うんです。初めて言われたときはドキッとしました」

 いったい後輩女性に何と言ってしまったのか?

「予算をとるために『露出の多い服で部長のところに頼みに行ってきてよ』と冗談めかしたら、そう返されました……」

 この「ボタン」とは、ミサイルのスイッチを押すようなイメージだというが、いつから使われているのかなど成り立ちは不明。セクハラだけでなくパワハラでも「ボタン」が使われ、社内で浸透しているという。

■社内のセ・パ交流戦

「気を付けなければ、すぐにボタンを押されます。でも、本気でイヤだと思っている人は『ボタンを押す』なんて軽くは言わないはず。言われなくなるときが、一番怖い」(冒頭の男性)

 近年、社内の壁を取り払ったベンチャー流の働き方が評価されるなど、「昭和」と比べればフラットな関係性が築けるようになった、上司と部下の間柄。年下上司や年下社長はもはや珍しくなく、時代の移り変わりとともに会社や仕事での人間的な組織図は変化してきた。

 だからといって、互いに何を言っても何をしても許されるわけではない。言葉や態度は、むしろ敏感に受け止められるようになり、うっかり発した言葉がハラスメントになることは往々にしてある。結果、社内でスラングのように使われてしまうこともある。

 ある企業では、人事異動の季節になると、こんな言葉が社内を駆け巡る。

「あの人、セ・リーグ出身らしいよ」
「セ・パ両リーグ制覇って聞いたけど?」

 もちろん、野球の話ではない。セクハラ、パワハラの頭文字を取った隠語の一つである。セ・リーグ出身は、セクハラで問題を起こした人。セ・パ両制覇は、セクハラとパワハラのコンボ、というわけだ。さらには、セクハラとパワハラをする人物が集まる飲み会を「セ・パ交流戦」と揶揄するなど、球界にとってはとんだとばっちりだが、こうした隠語が使われることもあるとか。


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