自分や家族が「がん」になったら、セカンドオピニオンを求める?(AERA 2019年9月23日号より)
自分や家族が「がん」になったら、セカンドオピニオンを求める?(AERA 2019年9月23日号より)

 納得できる治療を受けるためには、医師と良好な関係を築いておくべきだ。無駄に誤解や軋轢を生まないために、どんなことに気を付ければいいのか。AERA 2019年9月23日号から。

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●極意その1 セカオピ希望時は配慮の言葉を

 診断や診療方針について、主治医以外の第三者に意見を求める「セカンドオピニオン」。今回、アエラでは医師、患者の双方に「自分や家族ががんと診断された時セカンドオピニオンを求めるか」を尋ねてみた。その結果、「求める」と答えた割合は患者側が半数以上だったのに対し、医師側は4分の1にとどまった。

 医師が「求めない」もしくは「どちらともいえない」とした理由で多かったのは「最初から信頼できる医師を受診するから」「自分で判断できる」「がんの種類や進行度にもよる」「日本のがん診療は現在、どの地域でもおおむね等しい水準で受けられるように思えるため」など。

 福島県の総合南東北病院外科医長の中山祐次郎医師も「セカンドオピニオンを求めるのは患者として当然の権利だが、珍しいがんでなければ専門家の意見はそれほど違わない。ただ専門家の意見が一致すれば安心材料にはなる」と話す。

 セカンドオピニオンを申し出ただけで怒り出す医師もたまにいるらしいが、「よほど自信がない証拠なので、すぐに代えたほうがいい」(中山医師)。とはいえ、ことはできるだけ穏便に進めたい。今回、医師アンケートへの協力を依頼した医師のコミュニティーサイト「MedPeer(メドピア)」のCEO、石見陽医師は「担当医を信頼していないわけではない」という配慮の言葉が一言あるといいと話す。

「言いにくければ、『知り合いの医師やきょうだいから勧められたので』と第三者を介在させるのも一つの手でしょう」(石見医師)

 ちなみに、「名医への紹介状」は、実は簡単に入手できる。「『○○先生に紹介状を書いてほしい』と言えば、拒否する医師はまずいません」(中山医師)

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小長光哲郎

小長光哲郎

ライター/AERA編集部 1966年、福岡県北九州市生まれ。月刊誌などの編集者を経て、2019年よりAERA編集部

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