※写真はイメージです
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 専門家によると、職場で行われる「飲み会」には様々な効果があるのだとか。飲みにケーションの実力を、改めて分析してみた。

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 飲みニケーションには「効き目」がある。それは多くの企業が社内バーを設置したり、飲み会に補助を出したりして推奨していることから推測できる。

 AERAネットのアンケートでも、「四角四面のガチガチと思っていた人が、飲み会でそうではないとわかってからどんどん意見を言えるようになった」(50代女性・旅行業)、「お互いの距離が縮まりお願いごとを言いやすくなった」(50代女性・製造業)など、飲み会によってコミュニケーションが深まり、仕事に好影響があったという意見が多く寄せられた。

 ならばそこには、科学的な「効く理由」があるはずだ。

「まず期待できるのは、“ランチョンテクニック”です」

 そう話すのは、社会心理学・脳科学・コミュニケーション論などに精通する明治大学法学部の堀田秀吾教授だ。堀田教授は、自著のタイトルにもなっている「飲みの席には這ってでも行け!」を座右の銘としているという。その心は、飲みの席が仕事の基本でもある「人」との関わりをつくる重要な場だということだ。

「“飲み会”よりも“食事会”という言い方を私は好みますが、どちらにせよ、普段とは違う感覚で付き合えますし、仕事以外の話ができるので、人間関係が滑らかになっていきます。その効果を説明するうえでまず挙げられるのが、ランチョンテクニックです」

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川口穣

川口穣

ノンフィクションライター、AERA記者。著書『防災アプリ特務機関NERV 最強の災害情報インフラをつくったホワイトハッカーの10年』(平凡社)で第21回新潮ドキュメント賞候補。宮城県石巻市の災害公営住宅向け無料情報紙「石巻復興きずな新聞」副編集長も務める。

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“ランチョンテクニック”による「ランチョン効果」…重要なのは?