「花まる学習会」代表で、20年以上にわたり受験生を見てきた高濱正伸さんによれば、小4でタイプAに当てはまるのは、全体のわずか数パーセント。重要なのは、これは「優劣」ではなく、成長スピードの違いであること。いまはBやCの子でもぐんと成長して6年生にはAタイプになることもあれば、中学で伸びて、高校受験で花開く可能性もある。

 設問について少し補足しておこう。上から2番目の「漢字を先取り学習しているかどうか」について、高濱さんはこう話す。

中学受験というと、難しい算数やパズルが得意な子が向いていると思われがちですが、実は最近、地道に努力すれば誰でもできる漢字を先取りしているか否かのほうが、相関性が高いことがわかったんです」

 例えば小3では1、2年に比べて急に覚える漢字が増え、内容も難しくなるが、早々に学年で習う漢字を全部マスターしているような子は中学受験でもうまくいくケースが多いという。

 つまりこの設問にチェックがあれば、習っていないことでもやってみようという「挑戦心」や、自分から取り組む「主体性」、根気よく「やりきる力」など中学受験を乗り切る能力が育っていると言えるのだ。

 プリントや机を片付けられるかどうかも中学受験に必須の「自律力」や「取捨選択力」が育っているか見分けるポイントだ。ただし超難関校に軽々と受かる「天才」タイプには、自分の頭の中ではあらゆることが整理されているが、身の回りの片付けは全然ダメという子も。

「書くスピード」はとりわけ差が顕著に出る。中学受験では大量の問題を制限時間内に解かなくてはならないので、解ける問題、捨てる問題を瞬時に見極める「情報処理力」や、最短で答えを導き出す頭の回転の速さが求められる。それが如実に表れるのが、手を動かすスピードだという。

 子どものタイプがわかったら、図のテストに進もう。まず家計。ここでは私立の中高一貫を狙える世帯年収の最低ラインを「800万円以上」とした。現在、私立中に通う子どもの家庭の7割超が世帯年収800万円以上という文部科学省「子供の学習費調査」(16年度)の結果を参考にした。

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