世界を驚かせた、西野ジャパンを紐解く3つのキーワード (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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世界を驚かせた、西野ジャパンを紐解く3つのキーワード

六川亨AERA#W杯
サッカー日本代表の西野朗監督 (c)朝日新聞社

サッカー日本代表の西野朗監督 (c)朝日新聞社

ポーランド戦後、3戦すべてで先発し攻守に活躍したDF酒井宏樹をねぎらう西野監督(写真:gettyimages)

ポーランド戦後、3戦すべてで先発し攻守に活躍したDF酒井宏樹をねぎらう西野監督(写真:gettyimages)

 三つ目のキーワードは「チームマネジメント」だ。ザッケローニ、ハリルホジッチの両監督はいずれも選手間の競争原理をチームのベースとした。その結果、選手は自己アピールに走りがちだった。「自分がW杯のピッチに立ちたい」という心理をチーム強化に結びつけようとしたが、逆効果の面もあった。

 そうした雰囲気は西野ジャパンにはない。大会前の3試合ですべての選手にチャンスを与え、戦術や分析のミーティングでは選手に意見を求める。そうした姿勢が自然と選手間のコミュニケーションを円滑にし、武藤嘉紀は「(原口)元気君や(乾)貴士君とも、お互いのドリブルが効果的になるよう話し合っています」と話す。

 ポーランド戦は、先発6人を入れ替えた。16強以降の戦いを見据えたにしても、主力を外しすぎにみえる。その理由を西野は「同じメンバーで戦えただろうが、相当なダメージがあるので同じような戦いはできなかった」と明かした。

 16強をかけた4チームの試合は同時に進んだ。日本が首位でキックオフを迎えたが、後半14分の失点で、そのまま試合が終われば3位に後退する崖っぷちに。だがその15分後、セネガルが失点し、日本は途中経過ながら2位に浮上した。西野は後半37分に長谷部誠を投入し、彼を通じてピッチの選手に「このままでいい。余計なファウルはするな」と伝えた。

「選択したのは(他会場で)万が一が起こらないこと」(西野)。リアリストが珍しく、他会場の結果にかけた。そして、ギャンブルに勝った。

 2試合で采配が的中したことに加え、勝負師の勘も戻ったのかもしれない。(ライター・六川亨)

AERA 2018年7月9日号


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