2019年にラグビーW杯を迎えるニッポン。W杯英国大会後に人気が低迷した時期はあったものの、桜の熱い季節がまた、戻ってきそうだ。
1月13日に行われた日本選手権兼トップリーグ順位決定トーナメント決勝で、サントリーサンゴリアスが12-8でパナソニックワイルドナイツを下し2年連続8度目の優勝を決めた。
その6日前、同じく東京・秩父宮ラグビー場で行われた帝京対明治の大学選手権決勝同様に、会場は多くのラグビーファンの熱気で包まれ、試合内容もシーズンの締めくくりにふさわしい激闘だった。
2015年のラグビーW杯イングランド大会では、日本代表が強豪・南アフリカを下し「スポーツ史上最大の番狂わせ」と話題を呼んだ。それまで日の目を見ることのなかった日本ラグビー界にとって過去最高の追い風となり、その年のトップリーグは歴代最多の観客動員を記録。だがブームは長く続かなかった。
それだけに、先の決勝は来年に自国開催のW杯を控える日本ラグビー界にとって、質(試合のクオリティー)、量(観衆の入り)ともに弾みをつけるキッカケになったのではないか。
「このレベルの試合を続けていけば、これからの日本のラグビーは明るい」
パナソニックを率いたニュージーランド出身の名将、ロビー・ディーンズ監督は試合後、日本メディア向けに話したが、単なるお世辞ではないだろう。
試合に戻れば、それまで14戦無敗を誇ってきたパナソニックは、核となる2人の元豪州代表を欠いたことが響いた。前半10分にSOバーンズが右足を痛め交代すると、フランカーのポーコックも頭を強く打つなどでハーフタイムでベンチに下がった。
一方のサントリー。後半30分過ぎから相手陣地で、40フェーズにも及ぶ連続攻撃を繰り出すなど有効に時間を使い、相手の反撃の芽を摘んだ。後半ロスタイム、自陣ゴール前で1トライで逆転を許す状況もあったが、激しい守備で相手のミスを誘いノーサイドを待った。
勝利は、どちらに転んでもおかしくない展開といえた。だが、最後にサントリーへ転んだのは決して偶然ではない。