では、どうするのか。専門家の弁護士によれば、複数の相続人がいる場合は、「ほかの相続人よりも現金を多めに相続する代わりに、山林や空き家も相続し、二束三文で売り飛ばすケースが多い」。少子化の影響で相続人の数が減少すれば、こうした問題はますます増える可能性があると、弁護士は話した。

まつ子「財産がぎょうさんあるのも、逆に問題やなぁ。うちは貧乏でよかったわ」

 その言葉を聞きながら、父たかし(40)はネット銀行に預けたへそくりを思い出した。見つからないように、誰にも漏らしていない。しかし、自分が死んだらどうなるか……。不安になって弁護士に質問したところ、手続き自体は街に店舗を構える銀行と同じ。ただ、通帳がないだけに相続人が口座の存在に気づかないケースも大いにあるという。相続が完了した後に発見されると、その分だけ新たに手続きが必要になるという。

たかし「いまのうちに白状するか……」

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