「現在、車輪で走行しております。まもなく超電導リニアが浮上いたします」

「超電導リニア展示室」のミニシアターでは、山梨リニア実験線をイメージしたCG映像を使った走行体験が始まった。かすかな振動の変化で、飛行機が飛び立つときのような、車輪が車体に格納される感覚がわかる。最高時速500キロで走るトンネルの中の車窓は、照明の明かりが線のように流れ、まるでドラえもんに出てくる「タイムマシン」のようだった。

●あの名CMを再現

 日本最大級を誇るジオラマに、2027年開業予定のリニア中央新幹線「名古屋駅」が早くも登場した。このジオラマは開館当初から力を入れてきたもので、約220平方メートルに東海道新幹線16両フル編成など、450車両70編成を保有し、走らせている。リニア実験線を含め、東京から新大阪までを表現したレール総延長は約1千メートル。名古屋駅に次々と発着する新幹線のダイヤはデジタル運行システムならではのリアルさがある。ガラスで遮られていないので、精密な情景をマクロで撮影できるのも楽しい。

 ちなみに、最近仲間入りした隠れキャラは、リニア名古屋駅のホームで待つ「牧瀬里穂」。かつて放映された「クリスマス・エクスプレス」のCMを新駅で再現したそうだ。

●動くSLに興奮

 昨年4月29日、日本でもっとも新しい鉄道博物館「京都鉄道博物館」がグランドオープンした。延べ床面積3万平方メートル、車両は53両と、いずれも国内最大。元々この地にあった「梅小路蒸気機関車館」と、大阪・弁天町にあった「交通科学博物館」を一体化して開業した。

 京都鉄道博物館総務課の上田和季さんは言う。

「鉄道ファンをはじめ、家族で楽しく学んでいただける、地域に根差した博物館を目指しています」

 館内には初代新幹線「0系」をはじめ、寝台特急ブルートレインの食堂車、豪華寝台列車「トワイライトエクスプレス」など、鉄道史に輝くスターが勢ぞろい。本館2階には鉄道の運転士のお仕事を体験できる運転シミュレーターや、国内最大級の鉄道ジオラマが広がる。

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