●対策をする高校も

 こうした外部試験利用入試増加を背景に、対策を取る高校も出てきた。TEAP利用入試で上智大学に昨年度28人、今年度35人の合格者を出したのが、大宮開成高等学校だ。進路指導担当の小林佑樹教諭(英語科担当)に聞いた。

「3年生の5月にリーディング、翌6月にはリスニングとライティングの対策授業を行い、7月のTEAPに備えました」

 TEAPスコアの有効期間が2年間の大学もあるため、今後は2年生からチャレンジしようという意見もあるという。

 TEAP利用で上智大学文学部新聞学科、外国語学部フランス語学科に合格した大越美空さん(18)は「毎日、英語の長文を読みました。リスニングはある大学の基準に足りなかった。もっと力を注ぐべきでした」。

 同じく外国語学部ドイツ語科とロシア語科、文学部ドイツ文学科に合格した佐藤由佳さん(18)は「話す・書く、は機会が少ないので苦手。英作文はミスが出やすいので、先生に細かく添削してもらいました」と振り返る。2人に共通した勉強法は長文読解。やはり読解力向上には従来通り注力すべきのようだ。

 入試当日の負担が軽減され、複数大学受験や学内併願もしやすくなる外部試験利用入試。

「今後も導入する大学は広がるだろう」と大学通信の安田賢治ゼネラルマネージャーは予測する。新テストでも外部試験利用は検討されている。「どの試験を利用し、どう点数換算するのか、詳細は未定だが、各大学ともその動きに合わせ、いち早く学生のデータを得たいという思いがあるのでしょう」(安田ゼネラルマネージャー)

(ライター・浅野裕見子)

AERA 2017年3月13日号