誰にとって住みやすい街を目指すのか。高齢者と子育て世代の世代間バランスだけでなく、子育てサービスに限っても、働く親のための「保育」を充実させるか、家庭や地域での子育てを想定した「子育て支援」を重視するか、費用助成を積極的にするかで、市区長のスタンスは異なる。

 千葉県浦安市の松崎秀樹市長(66)は、こうコメントした。

「働いているかどうかにかかわらず、子育て世代の共通の悩みは『育児ストレス』だという認識のもと、発育段階に応じた子育てケアプランを、市独自の子育てケアマネジャーが作成する」

 浦安市は2014年10月、フィンランド発の妊娠・出産包括支援「ネウボラ」の自治体版を、首都圏でいち早く始めた。「切れ目のない支援」を謳い文句に、妊娠した時、出産前後、子どもが1歳の時に子育てケアマネジャーや保健師と面接し、ケアプランを作る。育児グッズのプレゼントがあるのも特徴だ。ネウボラは自治体による子育て支援のブームの一つになりつつあり、東京都文京区、品川区、埼玉県和光市なども導入している。(アエラ編集部)

AERA 2016年3月28日号より抜粋