その後、2006年に「テポドン2号」(同6700キロメートル)、09年と12年に「テポドン2号改良型」(同1万キロメートル)の発射を経て、今回の「光明星4号」と称される長距離弾道ミサイルを手にした。だが、実戦配備するのに必要な大気圏への再突入には、至っていない。

 北朝鮮は「テポドン」の他に、米国が「KN― 08 」とコードネームを付けた射程9千キロメートルの長距離弾道ミサイルも所有している。12年4月15日の金日成主席生誕100周年の軍事パレードで、その存在が確認された。加えて、「ムスダン」と呼ばれる中距離弾道ミサイルもある。射程4千キロメートルで、グアムに届く。13年春の米韓軍事演習に反発して東海岸の基地に配備されたが、「KN― 08」と同様に一度も発射テストはされていない。

 ただ、どちらも「テポドン」と異なり、移動式発射台を使用するので、事前探知が難しく、迎撃することは難しい。昨年5月には戦略潜水艦弾道ミサイルの発射実験にも成功している。潜水艦は移動式発射台よりさらに探知が困難で、どこからでも米本土に接近し、発射可能となるので、米国にとっては大きな脅威だ。

AERA 2016年2月22日号より抜粋