ペットはアレルギーに悪影響…これまではどこかそんなイメージがあったが、実は、乳児期に犬と暮らすとアレルギーになりにくいとの報告がある。一体どういうことなのか。
ペットとの暮らしが、乳幼児の健康にプラスに働くかもしれない──。そんな調査結果が出ている。
旧国立成育医療センターなどが、広島市の約1万人の小学2年生の保護者にアンケートした研究発表(2006年、日本アレルギー学会)によると、生後1歳までに犬と生活していた子どもにはアトピー性皮膚炎の発症リスクの減少が見られたという。ただし、猫の飼育では発症リスクが増加した。
フィンランドのクオピオ大学病院の調査結果(12年、米小児科専門誌に発表)によると、犬を飼う家庭で育つ乳児は、感染症や呼吸器疾患にかかるリスクが減り、抗生物質を投与する回数も少なかったという。
広島市での研究に携わった国立成育医療研究センター研究所免疫アレルギー・感染研究部の松本健治部長は、こう言う。
「家畜の糞便にある“ばい菌”に生後1歳までにある程度さらされることで、子どもがアレルギーになりにくくなるのは明らかだといわれています」