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 複雑化していく世界の、どこにビジネスチャンスがあるのか。それを探ろうと、大学院で学び直す人が増えている。

 社会人が学びやすい環境を整えた「社会人大学院」。MBA(経営学修士)やロースクールなど、社会人大学院にもさまざまなブームがあったが、近年のキーワードは「デザイン」と「イノベーション」だ。

 ビジネスの世界で、デザイン思考とイノベーションが求められるようになった背景を、新規ビジネス開発などを目的とした企業コンサルティングに携わる博報堂ブランド・イノベーションデザイン局の岩嵜博論(ひろのり)さんが説明する。

「人口がピークアウトし、国内市場はゆるやかに縮小していきます。社会や経済が成熟化し、モノは充足した。単純な動機ではモノが売れない時代に、企業はどう利益を出すか。0から1を生み出すような、デザインアプローチを使った問題解決が顕著になり始めました」

 ここでいうデザインとは、「情報を整理して、機会を発見し、具現化する」ことだ。テレビの商品開発を例にとれば、どうしたらもっと薄くできるか、色は、形は、と改善点を探すのではなく、まず背景を整理する。デバイスもコンテンツも増加し、「複雑化している視聴経験」が浮かび上がれば、そこから新たなビジネスの機会を探し、商品やサービスに落とし込む。

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