薬の副作用で急激に髪の毛が抜けたときには、悩んでいても仕方ないと、ウィッグを楽しむ方向に転換。そしてナタリー・ポートマンやエマ・ワトソンなど海外有名セレブのかっこいいベリーショートやスキンヘッドの画像を見て、テンションを上げた。

「でも鏡を見るとやっぱり見慣れた自分の顔。100%は立ち直れなかった。その時に、高校時代の先生が、自身が丸刈りにした写真をフェイスブックでシェアしてくれたんです。写真がすごくいい笑顔で、堂々としていればいいんだと思えるようになりました」

 立ち直るきっかけはいつも違う。それでも、自分なりのタイミングがわかれば積極的に幸せなポイントを探すことができる。そのコツに気づいたのは、何度も取材で聞かれて振り返ってみたからでもある。いまでは、落ち込んだときも頭の片隅で「あ、落ち込んでいるな」と思えて、冷静になった時には全力で幸せを探す。自分の気持ちの変化を少し引いたところから意識してみると、コントロールする糸口が見つかるのだという。

AERA 2015年5月18日号より抜粋