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見通し甘すぎ?日本人の留学失敗ケースとは

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 憧れを抱きがちな海外での生活。でも、失敗するケースも少なくはない。甘い見通し、日本人社会の誘惑、資金不足…。夢を抱いていたはずの暮らしは決して楽ではない。

 自分の「海外戦略」のどこが間違っていたのだろうか。横浜市育ちの女性Aさん(33)はいま、自問自答の日々を送っている。

 短大の英文科を卒業し、都内の中堅企業で秘書や英語事務の仕事を5年ほど務めた。その間、自分を支えたのは海外に雄飛する夢。500万円ほどコツコツとためた。欧米に行く資金はなく、シンガポールの英語学校に入った。

 暗雲が立ちこめたのは就職活動からだ。シンガポール航空のような現地の有名大企業に入ってキャリアアップし、あわよくば日本の支社に幹部で凱旋帰国、みたいなプランを思い描いた。しかし、軒並み「あなたの実力では通用しない」といわんばかりの冷たい反応。日系企業の現地採用しか見つからなかった。語学だけではだめだったのだ。

 給料は現地標準の月15万円。OL時代の贅沢ぐせも抜けず、貯金は減っていく一方で、日本人相手の仕事だから語学力すら向上せず、大企業への転職もままならないまま、時が過ぎていった。シンガポール人の彼氏といちおう付き合ってみたが、ルックスもいまいちで、エリートというわけでもなく、熱心に求婚されたが踏み切れず、結局、6年ほどで滞在を切り上げた。

 帰国後は派遣の仕事をこなしながら、本音は半分ムコ探し。

「やるだけやったという気持ちも半分。でも実力もないのに高望みしてしまったのかも。海外に行くことが目的になっていた」

 また、留学中は日本人との付き合いにも注意すべきだ。『留学で人生を棒に振る日本人』などの著書があり、留学カウンセラー歴42年の栄陽子さんは「できるだけ日本人コミュニティーから距離を置くべきでしょう」と勧める。

「米国などアルバイトできない国も多いので、ただでさえ現地の人との接触は思ったより難しい。最初から日本人仲間の世界にどっぷりつかると、そこから抜け出すだけでエネルギーを使う。イージーな世界に甘えず、まずは現地社会に飛び込むしんどい作業に最初から向き合いなさい、とアドバイスしています」

AERA 2015年1月19日号より抜粋


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