じゃんけんやくじ引きで役員を決め、事情がある人でも免除しない。そんなPTAの実態を伝えたアエラ記事に多くの反響があった。その中にはPTAの改革に関する意見や体験談も目立った。

 大阪府に住む専門学校講師の女性(40代)は親の介護、娘の受験に加え、新年度はPTA副会長を務める。今年度、くじ引きで選挙管理委員になったため、何人もに電話をかけ、自宅までお願いに回ったが断られた。結局、自分が責任を取って引き受けるはめになったが、悲愴感ではなく使命感を持って挑む。

「PTAは必要な組織ですが、改革すべきことは山積みなんです」

 例えば、月1回の会議では各委員が前月の活動報告と来月の予定を淡々と発表して終了。役員以外の保護者へのフィードバックも議事録もない。「伏魔殿」と呼ばれるほどに活動内容が役員以外に知られておらず、役員の交流の場にすらなっていない。

「無駄な会議や作業の見直し、ホームページやブログを活用した情報公開、お茶とお菓子を出して気軽にのぞける会議の雰囲気づくり……。改革によって、潜在的にいるであろう、何かを手伝いたいと思っている役員候補者を見つけたい。悪口をささやかれるのは覚悟の上。誰かがやらなければ変わりません」

 大阪府に住む公務員の女性(42)は、息子が6年生になる年にくじ引きでPTA役員に当たってしまった。

 このPTAでは、6年生の年に役員に当たると卒業式で保護者代表の「謝辞」を読まなければならないため、低学年で立候補が集中。6年生の役員決めの会議は、虚偽申告や不正くじなどの疑惑に満ちていた。

 そこで、女性は謝辞の廃止に乗り出した。本部役員や学校に納得してもらうため、謝辞をめぐってもめ事や仲たがいが発生している実態を力説し、PTA新聞に謝辞を載せる「代替案」を提案した。学校側はあっさり承諾。最終的にPTA会長の同意も得られ、次年度の6年生の保護者から感謝された。

AERA 2014年4月7日号より抜粋