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12畳ワンルームから開始 心の病気に食事でアプローチ

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AERA#食

 今、うつ病などの心の病に対して、食生活からのアプローチが効果を上げている。

 うつ病や統合失調症など、心の病気になった人の食事や、生活リズムを整え、食卓を一緒に囲むことで元気になることを実践している場所が、東京都調布市にある。松浦幸子さんが代表を務めるNPO法人「クッキングハウス」。合言葉は「『おいしいね』から元気になろう」。

 松浦さんが12畳のワンルームを借りてスタートさせたのは、1987年。当時、松浦さんは精神科ソーシャルワーカーとして、精神病で入院している患者の退院支援を行っていた。しかし、退院して地域で暮らし始めた人たちが、ほどなくして再発し、病院に戻ってしまう。

 彼らの食生活は、「一人ぼっちでテレビを見ながら、買ってきたお弁当とかカップラーメンを食べるだけ」。生活のリズムも乱れて、昼夜が逆転する人が多かった。松浦さんが、「こんな暮らし方が病気の回復にいいはずがない。健康的で普通のごはんを昼間、一緒に食べられたら、再発しないかもしれない」と思い立ったのが始まりだ。

 自分たちでメニューを話し合い、一緒に買い出しに行き、料理をして、食べる。「語り合いながらおいしいものを食べると、楽しい。『食事会に間に合うように起きよう』と思えるようになり、生活のリズムが整っていきます。再発して入院する人もぐっと減りました」(松浦さん)

 勤められるようになった人が仕事帰りに寄ったり、朝起きられない人も食べに来られるように、夕食会も行っている。

「精神障害者の強制入院の要件を緩和する精神保健福祉法改正案が国会で審議中です。ごはんを一緒に食べて、語り合える場があれば、入院を減らし、地域で一緒に暮らしていけることも知ってほしい」(松浦さん)

AERA 2013年6月17日号


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