3番目は鶏肉の唐揚げがダメです。同じ鶏でもとりわさは大好きです。気に入った店では、2人前を頼んだりします。鶏肉からはとりわさのように旨いものができるのに、唐揚げは実に旨くない。同じ鶏でなぜこんなに違うのか不思議です。

 大好きなお刺身のなかで、あまり好きでないのが海老の刺身、嫌いなのが蛸(たこ)の刺身です。盛り合わせにこれらが出てきても、せいぜい2切れですから義理で食べています。でも本当は食べたくないというのが本音です。

 このほかにも、嫌いなものはいくらでもあります。こんなことを書き連ねていると、「なんとわがままなやつだ」と思われるかもしれません。でも、いいじゃないですか。この世で食事を楽しむ時間は、もうそんなに多くないのです。時間を無駄にしないためにも、好きなものだけを食べましょう。それが、ナイス・エイジングです。

 好きなものは、いくらでもあります。最近、気に入っているのが、白子ぽんずに白子の天ぷら。塩辛、酒盗、筋子、鱈子もいいですね。塩気が多いことなど気にしません。うーん、今夜の晩酌が楽しみになってきました。

帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など著書多数。本誌連載をまとめた「ボケないヒント」(祥伝社黄金文庫)が発売中

週刊朝日  2023年4月7日号

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帯津良一

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帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など著書多数。本誌連載をまとめた「ボケないヒント」(祥伝社黄金文庫)が発売中

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