岡本圭人(おかもとけいと)/ 1993年生まれ。東京都出身。2007年、Hey!Say!JUMPのメンバーとしてCDデビュー。18年から2年制演劇学校アメリカン・アカデミー・オブ・ドラマティック・アーツニューヨーク校に留学。21年帰国し、グループを脱退。俳優としての活動に専念する。来年3月上演の舞台「ハムレット」に出演。(撮影/写真映像部・加藤夏子 ヘアメイク/朝岡美妃(Nestation) スタイリスト/RIKU OSHIMA 衣装協力/ADONIS、GEORGE COX)
岡本圭人(おかもとけいと)/ 1993年生まれ。東京都出身。2007年、Hey!Say!JUMPのメンバーとしてCDデビュー。18年から2年制演劇学校アメリカン・アカデミー・オブ・ドラマティック・アーツニューヨーク校に留学。21年帰国し、グループを脱退。俳優としての活動に専念する。来年3月上演の舞台「ハムレット」に出演。(撮影/写真映像部・加藤夏子 ヘアメイク/朝岡美妃(Nestation) スタイリスト/RIKU OSHIMA 衣装協力/ADONIS、GEORGE COX)

 25歳のとき、グループ活動を休止し、単身ニューヨークに渡った俳優・岡本圭人さん。演劇の魅力に取り憑かれ、演劇人として生きると決めた。10代でアイドルになった彼は、20代半ばで、自分の意思で進む道を選んだ。

【写真】「圭人のおかげで英語に興味を持った」と語ったHey!Say!JAMPのメンバーはこの人

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 幼い頃から、漠然と舞台に憧れがあった。父である岡本健一さんは、圭人さんが物心つく頃には、舞台を中心に活躍していた。健一さんが稽古を終えて家に戻ると、「今日はこんなことがあって」と、その日の稽古の内容を喜々として話す。好きなことに夢中になっている父の顔は、キラキラしてまぶしかった。

 その後、圭人さんはHey!Say!JUMPのメンバーとなりアイドル活動を開始するが、演劇の仕事にはなかなか巡り合えずにいた。

「グループでの活動は、みんなでステップアップしていける感じがあったし、すごく楽しかった。ただ、何十年後かの自分をイメージしたときに、どうしても『一から舞台の稽古がしてみたい』という希望をかなえてみたかった。その方法を学ぶために、演劇の学校に通ってみたくて。グループのみんなには申し訳なかったけれど、アメリカの演劇学校に留学することを決めたんです」

 CDデビューは14歳。学業に芸事にと、目の前のことに必死に向き合う日々が約10年続いて、「自分は本当は何がやりたいのか」と立ち止まった時期でもあった。

「舞台のお芝居なら自分にもできるだろうと高を括っていて、いざニューヨークに行ってみたら『こんなにできないんだ』と打ちのめされる日々でした」

 今でも忘れられない光景がある。演劇学校に通い始めたばかりの頃、“ボイス&スピーチ”という、声の出し方と話し方を学ぶ授業で、講師から、「それぞれ、今までに誰にも話したことのないトラウマを話しなさい」という課題が与えられた。クラスメートの年齢も性別も人種も国籍もバラバラ。でも、そこにいる全員が「芝居を学びたい」という熱い気持ちを持って集まっていた。

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