(c)2020
(c)2020 The Dry Film Holdings Pty Ltd and Screen Australia

■渡辺祥子(映画評論家)

評価:★★★★

旧友の死に疑問を抱く。妻子を殺し、乳飲み子だけ残して自殺? 何年も前に去った故郷はいまや干ばつにあえぐ田舎町、人々の冷めた視線が突き刺さる。久しぶりに地道な捜査がある正調ミステリーの面白さを堪能した。

■大場正明(映画評論家)

評価:★★★

事件の真相に関心が向くのは当然だが、究明の過程で見えてくる住人の秘密や複雑な感情も大きな見所。オーストラリア人のスタッフ・キャストが、干ばつに襲われた土地や閉鎖的な町の人間模様をリアルに描き出している。

■LiLiCo(映画コメンテーター)

評価:★★★

幸せだった若者たち。しかしそんななか起きた事件を調べると、みんなが怪しくみえます。盛り上がって盛り下がって、たくさんの名前に若干混乱しながらも、またドキドキして。意外な犯人に驚いた。バナ良い感じです!

■わたなべりんたろう(映画ライター)

評価:★★★★

淡々と進行するが予兆に満ちていてまったく飽きさせない。回想シーンの入れ方が幾分古臭いが、洗練された演出と充実した俳優陣の演技が堅実に魅せる。原題の“The Dry”の意味がわかるラストが素晴らしく戦慄する。

(構成/長沢明[+code])

週刊朝日  2022年9月23・30日合併号