とはいえ、全体を見れば慶應も上昇傾向。国公立大との併願志向が強まれば、早慶が優秀な学生を獲得する機会は増えそうだ。西田さんは「今後10年で早慶で文理のすみ分けがぐっと進む可能性がある」と話す。

「慶應にとって、ここ数年の早稲田の伸びの影響は大きく、慶應法だけでなく、商学部や文学部は早稲田社学や文化構想学部に取って代わられてもおかしくない。受験生にとって文系は早稲田、医学部など独自の学部を持つ理系は慶應といった選択になっていくかも」

 早稲田は来年から、教育学部も共通テストを併用する予定だ。

「入試方法は、慶應はキープコンセプトで、早稲田は積極改革路線。学生の選択肢を狭めないためにも対照的なほうがいい。それぞれの特長を生かして日本の教育・研究を引っ張っていただきたいですね」(駿台教育研究所の石原賢一・進学情報事業部長)

(本誌・秦正理)

週刊朝日  2022年4月1日号より抜粋

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秦正理

秦正理

ニュース週刊誌「AERA」記者。増刊「甲子園」の編集を週刊朝日時代から長年担当中。高校野球、バスケットボール、五輪など、スポーツを中心に増刊の編集にも携わっています。

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