──2021年は、どんな年でしたか。

藤原:気づきが多い年でした。こんなご時世でも、楽しみに劇場に足を運んでくださるお客様がいて、声は出せない分大きな拍手で思いを伝えてくださる。カーテンコールでそんなお客様のお顔を見ていると何度も涙してしまって……。ひたすら感謝の思いでいっぱいでした。

 夫(片岡愛之助さん)の歌舞伎の現場にいても、お客様がひたすら待ってくださってたんだなと深く感じました。劇場はエネルギーの交換ができる特別な場所だと思ってはいましたが、コロナ禍になって特にそう感じる部分が多かったです。

 もちろん、映像もしかり。テレビや映画、その作品のメッセージで元気になってくださるお客様がいる。エンタメの世界にも使命と役割があり、だからこそなくしてはいけないものだと思っています。

松平:2020年の舞台はコロナで中止になったんです。でも21年は舞台が全部できたので、ありがたかったですね。お客様に舞台を楽しんでもらって、帰りは笑顔で帰ってもらえる。これ以上にうれしいことはない。

◆紅白で「新基軸」マツケンサンバ

──松平さんは大晦日に紅白歌合戦もあります。

松平:見た方に元気に、明るくなってもらいたい。紅白の「マツケンサンバ」は今までにないものになる予定なので、楽しみにしていてください。

──2022年の抱負を。

藤原:まずは、お正月から舞台「サザエさん」の稽古ですね♪

 明るく楽しく、癒やしと温もりが伝わる素敵な舞台にしてお客様に喜んでいただけるよう、力を合わせ稽古にいそしみます! 「サザエさん」では、東京・大阪・福岡へ、そして「毒薬と老嬢」ではプラス愛知・北海道も巡れるので各地の皆さまのおそばに行けることを楽しみにしています。

 新年からサザエさんで培った高いモチベーションとエナジーで2022年を突破するぞ!

松平:この年代になってきたので、とにかく元気で年を過ごせるといいなと思っています。そしてたくさんのお客様に喜んでいただけたら。お客様が僕のパワーの源です。

(聞き手・工藤早春[本誌])

週刊朝日  2022年1月7・14日合併号