「沢田研二さんには、妖艶というか幻想的というか、体験したことがない種類の魅力を感じた」美の鬼才・早川タケジが語るジュリーとメモリアル作品集(前編)

ジュリー

2021/11/02 11:30

早川タケジさん
早川タケジさん

「勝手にしやがれ」「サムライ」「TOKIO」…あまたのヒット曲とともに、日本の音楽シーンに革命を起こした沢田研二のあの世界観は、この人なくして語れない。早川タケジ。画家、衣装デザイナー、アートディレクターなど多彩に活躍する美の鬼才だ。あまりメディアに登場しないことでも知られるが、今冬、約50年の歴史を振り返った作品集を発売するのを機に、週刊朝日の独占インタビューに応じた。

【写真】今でもこのオーラ!ジュリーは別格といわれるのも納得

 今冬、早川タケジさんの作品集「JULIE by TAKEJI HAYAKAWA – 早川タケジによる沢田研二」が出版される。早川さんと言えば1973年以来、沢田研二の衣装、アートディレクションを担当し、画家としても世界的注目を浴びる鬼才。そんな彼が自身の"ライフワーク"とも言える沢田との共同作業について、異例の個別作品集を発売するのにはどのような経緯があったのだろうか。

 本書の制作を企画し、また編集を担当した熊谷朋哉さんは次のように話す。

「今こそ類まれなメディアアーティストとしての早川さん、戦後ポップカルチャーのアイコンとしての沢田さんを振り返り、しっかりした形で後世に残すべきだと考え、昨年10月に早川さんにご相談しました。沢田さんは常に未来志向の方なので、こういうことには興味ないかもなという心配もありましたが、いろいろお話しして快くご許可をいただくことができました」

 本書には1970年代から近年のものまで早川さんが手がけた沢田のビジュアルをふんだんに収録。また別冊という形でクリエイティブの技法や沢田さんとの関係構築の歴史について迫ったインタビュー等も収録されるということだ。「繊細なお二人のことなので、こちらの思い込み等で台無しにしないよう努めました」(前出の熊谷さん)。日本の音楽シーンに革命を起こした早川さんと沢田のコラボレーションはどのように成立し、今に至っているのだろうか。

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