番組が取り上げるのは日々のニュースや社会問題。リスナーの側に立った森本さんの問題意識と大いなる批判精神は、小学生からシニアまで幅広いファンに支持される。

 硬派だがあたたかい森本さんと遠藤さんの前向きな朗らかさが絶妙に調和する2時間だ。

 そのスタジオも、コロナ禍の影響を受けた。

「密を避けるために森本さんは赤坂の事務所からリモート出演です。私はスタジオのマイクの前が好きで、コロナ禍も毎朝赤坂のTBSに通っています。

 そう、発熱恐怖症にもなりました。コロナに感染していなくても発熱すると局舎に入れませんので、熱を出すのが怖くて。

 でも普段からのどの痛みとか目がゴロゴロするとか、ちょっとしたことでもすぐに病院に行くようにしています。自分の体調のせいで急にピンチヒッターをお願いするような事態は避けたいので、体の変調に気をつけるのはもう習い性です。

 10年ぐらい前から記憶力が気になり始めました。SDGsとかサブスクといったカタカナの新しい言葉は、スマホの中に一覧表をつくって時折見返しています。歯の問題も避けられません。削るなどで少しでも歯の状態が変化すると舌の動きに影響してしまいます。例えばラ行が発音しにくくなるなどしたら、家で声に出して繰り返し練習しています」

「日本一のニュースリーダー」「存在感があるのに存在感を出さない」。森本さんの遠藤さん評だ。信頼は厚い。遠藤さんにとって「スタンバイ!」はどういう存在なのか。

「50歳になる直前、肩こりがひどい時期がありました。マッサージを頼んだ施術師の女性が『苦手なものやイヤなものを取り除いていくことも大事かもしれませんね』と言ってくれたひと言が心に残りました。その時から少しずつ、気の進まない仕事は無理して受けない、苦手な人とはなるべく会わない、また、身の回りにはボールペンひとつでも気に入ったものを置くようにしてみたんです。そしたら確かに気分が楽になりました。大事な分岐点だったように思います。そう考えると改めて、30年以上続けている『スタンバイ!』がつくづく好きなんだと思います。

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