桑田真澄さんが高校球児にメッセージ「野球で学んだ『過去には戻れない』 恋愛も人生に生きてくる」 (2/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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桑田真澄さんが高校球児にメッセージ「野球で学んだ『過去には戻れない』 恋愛も人生に生きてくる」

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秦正理週刊朝日
桑田真澄さん(撮影:秦正里)

桑田真澄さん(撮影:秦正里)

 その時に母親からかけられた「あきらめちゃだめよ。何かいい方法があるはずよ」という言葉が、頑張ってみようと思うきっかけになりました。どうしたら大きい選手に勝てるのか。自分の長所は何か。それまでは、投手は身長が高くて150キロを超えるストレートが投げられなければと、理想ばかりを追いかけていました。でも、才能や体格に恵まれたチームメートと物理的に競っても勝ち目はありません。僕の長所は総合力。制球や配球、守備のフィールディング、マウンド上で折れない精神力、試合状況を把握する洞察力、常に万全の体調を保つ調整力……。これらを磨けば勝負できるかもしれないと思った。理想ではなく、自分らしさを追求する。「次、どうするか」を考えて、一歩踏み出したんです。

 そして、僕には甲子園の先に大きな目標がありました。小学生のころから明確にあった「ジャイアンツのエースになりたい」という夢です。ですから甲子園出場はもちろん、その先の目標から逆算して高校生活を送っていました。

 ただ、24時間野球漬けという考え方は間違っていると思います。青春時代なのですから、勉強も遊びも、恋愛も大事です。僕は3年間、授業中に居眠りすることなくベストを尽くしましたし、恋愛も経験し、悔いのない青春を過ごしました。恋愛というのは相手の気持ちを考えること。僕が何か言った時にこういう表情をしたとか、些細な変化に気がつくようになります。相手打者の表情の変化を感じ取ることにもつながるなど、野球にも生きてくるわけです。そうして生活すべてを野球につなげていました。やはり目標を持つということは大切なんです。

 今、講演や野球教室などで高校生たちに「君の目標は」と聞くと、「将来の夢ないんですよ」とか、「まだわかんないです」という人がたくさんいます。人生が200年あるならそういう生き方もありですが、命には限りがあり、いつ死ぬかわからない。僕はよく自分に問いただしています。「今日が人生最後の日でいいのか」と。「いいよ」と答えられるよう生きてきたつもりです。だから、中学、高校、プロ野球時代をやり直したいと思ったことはないんです。


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