外国人野手の補強を模索していた中、ウィーラーの加入は心強い。楽天での在籍5年間で通算106本塁打と実績十分。本職の三塁は4番の岡本和真がいるため、左翼、一塁での起用になるが、代打の切り札としても使える。明るいキャラクターでチームになじむのも早いだろう。打線に厚みが増し、大きな戦力アップになりそうだ。

 ただ、巨人の補強はこれだけでは終わらない可能性がある。「トレード第2弾」は層が薄い先発陣だ。サンチェス、高卒2年目右腕・戸郷翔征は開幕から快投を見せているが、1年間通じて先発ローテーションを守れるかというとまだ心もとない。今季は120試合制で6連戦の過密日程が続く中、有事に備えて先発投手は一人でも多く欲しい。スポーツ紙デスクはこう分析する。

「巨人のファームの試合を見ても1軍で使える選手が多く、トレードの駒はいます。同一リーグのトレードは厳しいと思いますが、パ・リーグで実績のある先発投手がファームに何人かいるので調査はしていると思います」

 リーグ連覇へ、原巨人がさらなる補強に打って出るか注目される。(牧忠則)

週刊朝日  2020年7月17日号