足の三つのアーチ (イラスト/アシックス提供)
足の三つのアーチ (イラスト/アシックス提供)
アシックスのウォーキングシューズ「GEL-MOOGEE」(アシックス提供)
アシックスのウォーキングシューズ「GEL-MOOGEE」(アシックス提供)
究極の歩き方“五つのポイント”(イラスト=GettyImages 週刊朝日2020年7月3日号より)
究極の歩き方“五つのポイント”(イラスト=GettyImages 週刊朝日2020年7月3日号より)

“巣ごもり生活”から解放され、ウォーキングもしやすくなってきた。健康づくりを楽しみたいが、そもそも「足形」や「歩き方」が50歳で一変する、というのはご存じだろうか? スポーツ用品メーカーのアシックスは、こうした変化をふまえて「究極の歩き方」を唱える。人生100年時代、老後も自分の足で歩き続けるためのヒントを知ろう。

【写真】究極の歩き方を追求したアシックスのシューズがこちら

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 アシックスのスポーツ工学研究所は長年、店舗に備えた3次元足形計測機を使ってデータを収集している。100万人超にものぼる足のデータを分析した集大成こそが、昨年に出版された『究極の歩き方』(講談社現代新書)だ。

「加齢変化で大きいのは、年齢とともに足の幅が広がるということ。(右下イラストのように)横アーチや内側の縦アーチ、外側の縦アーチがつぶれて足の形が変形することによって生じる」

 担当者の一人、スポーツコンテンツ研究部・人間特性研究チームの楠見浩行さんは話す。

 足の長さと幅のバランスを約30年前と比べたところ、20代ではほぼ一緒だった足の幅が、年齢とともに広がり、50代で一気に太くなったという。とくに女性の場合、指の付け根部分の周囲「足囲」では、50歳以上の人が50歳未満よりも6ミリほど太くなった。

「横アーチの盛り上がりが、加齢とともにぐちゃっと平坦につぶれてしまう。こういう変形をすると、つぶれるだけでなくて、内側や外側に加重が偏っていく。変形がさらに大きくなっていく」

 立った状態でかかとを真後ろから見て分析すると、その傾き方は50代になって顕著になることもわかった。「年を重ねるごとに、かかとは内側に倒れてきて扁平足になる人が多いだろうと思っていたが、実はこれは逆だったんです。外側へおき上がるように内側への傾きが小さくなっていく」と楠見さん。外側に加重がいき、小指が靴に当たりやすくなるため、「シューズ選びではシルエットを重視しないで、つま先に余裕のあるものを選んでほしい」。

 かかとを真横から見たときの角度も変化する。内側の縦アーチが加重に負けてつぶれると、前方に倒れるような格好になっていき、これも50代で目立つというのだ。

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