指定感染症は危険性に応じて1~5類に分類され、新型コロナウイルスは結核などと同じ2類。1類のエボラ出血熱などより死亡率は低く、過度に恐れる必要はない。

 医療費や帰国費用などは、民間の医療保険や海外旅行保険で補償されるケースもある。クレジットカード付帯の海外旅行保険も含め保険会社に確認しよう。

(5)中国の流行地への渡航歴がある人は?
 帰国後速やかに医療機関を受診し指示に従う。受診の際は渡航歴を申告する。不明点は最寄りの保健所に問い合わせる。企業は症状がない人らについては出勤を停止しなくてよい。

(6)渡航歴がある人の健康管理は?
 企業などが特別に健康管理をする必要はない。渡航歴にかかわらず労働安全衛生規則では、国外に6カ月以上派遣した労働者が帰国して国内業務に就く場合は、医師による健康診断を行う。不安な人は個別に企業や保健所などに相談。

(7)休むと給料は補償してくれる?
 就業制限により休む場合は、健康保険の傷病手当金がある。休んだ日から3日を経過した日から、直近12カ月の平均の標準報酬日額の3分の2について補償される。企業は一般的に休業手当を支払う必要はない。

(8)世界恐慌になるの?
 可能性は低いが、パンデミック(世界的流行)になればあり得る。経済アナリストが危険視するのが中国経済の崩壊。スマホやテレビ、日用品などの国際取引が急減すれば、外需に頼る中国企業を直撃する。サウジアラビアで2月22、23日に開かれる主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議でも、経済危機対策が議論される。当局の協調姿勢もあって日米の株式市場は底堅いが、流行長期化で急落する恐れがある。

(9)工場の生産停止はいつまで?
 トヨタ自動車やホンダなど多くの日系企業は中国での生産を一時停止し、再開予定は2月17日以降のところが目立つ。日産自動車は部品調達が難しいとして九州工場(福岡県苅田町)の生産ラインを一時停止。感染拡大が収まらないと生産再開は遅れる。

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