山本:そうなんですよ。野党が掲げている政策は、一般の人には難しい。何かピンとくるものが少ない。

田原:消費税も上げるなと言っているだけだからね。

山本:そうなんですよ。「消費税という財源は必要で、この先は上げていくつもりだ」と宣言しているのと一緒。私は「野党が政権を取れば、消費税を5%に下げます」ということを旗にしてほしいと言っている。これがのんでもらえないならば、一緒にやれません、単独でやりますと。

田原:それで消費税ゼロを掲げていたのに、消費税5%にしたんだ。

山本:そう。だけど、まだいいリアクションはないですね。

田原:本当? 共産党の志位さんと協議したじゃない。

山本:そうですね。共産党は消費税5%でいくという話なんですけど、それ以外の政党からは……5%でもハードルが高いんですかね。

田原:民主党内閣のときに、かつて、野田さんが10%と言っていたからね。

山本:決めた側ですからね。

田原:山本さんとしては、そこをのんでもらわない限り、いくら合流を呼びかけられても、行くことはない?

山本:ないです。やはり魅力的な旗を掲げて、誰もがわかるものじゃないとだめ。1日1回は消費税を払っていますから、自分事として引き寄せやすい。「野党が政権を取ると、消費税が5%になるんだ」という訴えは、パワーワードだと思っている。

田原:最近の新聞を見ると、やっぱり消費が落ちているもんな。今のところ具体的な提案をしているのは山本さん以外ないよ。むしろ他の野党が山本さんに乗るほうがいいと思う。

山本:それは一番難しい話かもしれませんね(笑)。

田原:でも、野党は具体的なものを持っていないよ。

山本:政策に掲げる一番の旗として消費税5%が実現しないなら、私は独自にやる。

田原:それだと政権を取る道のりが長そうだけど。

山本:それはしょうがない。私たちは一緒にやったとしても議席をなかなか伸ばせない。なぜかというと、選挙区の調整をしていくと、一番勝率が高そうな人がそこに立つわけですから、一番勝率が低そうな我々はなかなか選挙区がもらえない。逆に、向こう側が立てることもできないところを譲られるという形になる。

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