前人未到となる3度のトリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁以上)を達成した山田は今季142試合に出場し、打率2割7分1厘、35本塁打、98打点、33盗塁をマーク。昨季から続いていた連続盗塁成功を日本記録の「38」にまで伸ばした。順調にいけば、来年中にFA権を取得する。

 ヤクルトは不可欠な戦力として複数年契約などを提示する可能性はある。だが、山田が単年を選択すれば、来オフに金銭面の条件で巨人が優位な情勢となるだろう。

 では、巨人への移籍が有力かというと、そうとも言い切れない。山田獲得に名乗りを上げると見られるのが、巨人をしのぐ資金力を誇るソフトバンクだ。

 昨オフは、西武からFA宣言した浅村栄斗(現・楽天)の獲得に失敗。主力の高齢化が進む中、攻守で中心選手になる山田はのどから手が出るほど欲しい存在だ。球界関係者は指摘する。

「山田は東京での生活が気に入っていますが、自分を高く評価してくれるところにいきたいという思いが当然ある。ソフトバンクも十分可能性があると思います」

 他球団も獲得に乗り出す可能性が十分にある。来オフの山田争奪戦は、巨人にとって負けられない戦いになりそうだ。(梅宮昌宗)

週刊朝日  2019年12月20日号