シンプルな背景で、狭い場所を動く様子をAI SERVO(コンティニュアスAF)で。 (撮影/鎌田倫子)
シンプルな背景で、狭い場所を動く様子をAI SERVO(コンティニュアスAF)で。 (撮影/鎌田倫子)
レンズの位置が猫目線(左)と人間目線(右)の場合の比較。左は表情がよくわかる。スマホで撮影 (撮影/鎌田倫子)
レンズの位置が猫目線(左)と人間目線(右)の場合の比較。左は表情がよくわかる。スマホで撮影 (撮影/鎌田倫子)

 動きが機敏で、なかなか言うことをきいてくれない。どうしたら愛猫を、上手にかわいく撮れるのか。カメラ・写真の専門誌「アサヒカメラ」の伏見美雪編集長にポイントを聞いた。

【写真】スマホを構える位置でかわる!猫目線と人間目線で比較した写真がこちら

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 まずは初級編。一眼レフやミラーレスなどレンズ交換式の本格的なカメラの扱いはハードルが高いという人向けに、スマートフォンで撮影するときのポイントを紹介しよう。

 最初に気をつけたいのは、スマホを構える位置。人間の目の高さだと、どうしても上から猫を見下ろすかたちになってしまう。

「猫の表情がよくわからない写真になってしまうことが多いので、しゃがむかスマホの位置を下げてレンズを猫の目線に合わせることを心がけましょう」

 低い位置でスマホを構えるように意識するだけで、絵に変化が出て、口元の感じや目線の向きなども写せて表情が豊かなショットになる。

 撮影場所もひと工夫したい。画面に猫以外の情報(物や柄)をなるべく入れないほうが、猫が引き立つ。

「本格的なカメラなら背景がぼけるように調整もできるが、スマホで撮影するときはむずかしい。ならば、背景を壁や窓にしてみる。背景がシンプルであれば、猫が映える絵になりますよ」

 最も困るのが、シャッターを押すまでの間に、猫が画面の外に移動してしまうこと。動く猫を無理に追いかけるよりも、猫の習性を利用する方法がおススメだ。

「猫は、箱の中や毛布の下など狭い場所が好き。塀の上といった細い所も好みます。こうした場所では動きが鈍くなるので撮りやすい。連写モードにすれば、一瞬を捉えられる確率が上がります。また、丸い物やビリビリ破ける紙などを与えて、夢中にさせるのも手」

 続いては、本格的なカメラで撮影する中級編だ。

 明るい場所だと猫の目は黒目が線のようになって怖い印象になりがち。まん丸の黒目のかわいい顔を捉えるには、瞳孔が開く暗い場所で。その際、ブレを防ぐにはISO感度を1600か3200まで上げるといい。動きのある姿を撮りたいときは、シャッタースピード優先モードを使い、1/1000秒以上に設定してみよう。

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