病気ではなく老化現象? 健康寿命“75歳の壁”の正体

シニア

2019/11/16 11:30

がん年齢別罹患者数 (週刊朝日2019年11月22日号より)
がん年齢別罹患者数 (週刊朝日2019年11月22日号より)
75歳以上に多い病気 (イラスト/和田慧子 週刊朝日2019年11月22日号より)
75歳以上に多い病気 (イラスト/和田慧子 週刊朝日2019年11月22日号より)

 約7人に1人が「後期高齢者」にあたる75歳以上という日本。体や心の機能が10~20年前に比べて5~10歳若返っており、社会で活躍する後期高齢者も少なくない。だが、やはり“寄る年波には勝てない”ことを実感するのも、このころからではないだろうか。実態をつかむことが対策の第一歩。75歳の壁の正体を知り、うまく乗り越えよう。

【イラストで見る】75歳以上に多い病気

 今年1月に75歳の誕生日を迎えた主婦のヨシコさん(仮名)は、「いろんな問題が顔を出した一年だった」と振り返る。

 春には白内障と診断され手術。これまで安定していた生活習慣病関連の数値が急に悪くなり、めまいや足の付け根の痛みなどにも悩むようになった。

「体力も食欲も以前のままなのに。明らかに体の状態が変わった気がする」

 実際、75歳、あるいは70代での変化は、多くのデータからも見てとれる。

 まず本誌が注目したのは患者調査(2017年)。国が3年ごとに行っている調査で、さまざまな病気の推計患者数が年齢別などに載っている。これを見ると、高血圧や糖尿病、COPD(慢性閉塞性肺疾患)などの慢性疾患や、これらの病気が原因で起こる心筋梗塞や脳梗塞などで、若い人よりも患者数が多い。

 75歳以上の生活習慣病については、加齢に伴う生理的な変化もあり、症状の表れ方も治療に対する反応も若い人とは異なる。このため、日本老年医学会は高血圧や糖尿病などの病気で75歳以上が目標とする値を打ち出した。

 例えば、高血圧では、目標値を74歳以下よりも高く150/90mmHg未満としている。厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2015年版)でも、70歳以上が目標とするBMI(体格指数)を21.5~24.9としている(ちなみに、50~69歳は20.0~24.9)。

 高齢者に生活習慣病が増える背景を、慈恵医大晴海トリトンクリニック(東京都中央区)で高齢者の寝たきりを防ぐ取り組み「ライフデザインドック」を行っている東京慈恵会医科大学教授の横山啓太郎さんは、「糖尿病や高血圧といった生活習慣病の多くは、病気というよりも、老化と捉えたほうがいい。増えるのは自然なこと」と話す。

1 2

あわせて読みたい

  • 「高いと危険」ではない? 血圧、コレステロール、血糖値“正常値信仰”のワナ

    「高いと危険」ではない? 血圧、コレステロール、血糖値“正常値信仰”のワナ

    週刊朝日

    11/12

    「75歳」が老化の節目!? 超高齢化社会で変わる病気の常識

    「75歳」が老化の節目!? 超高齢化社会で変わる病気の常識

    週刊朝日

    6/5

  • 年齢で見直しも必要? 高血圧・糖尿病の人の「薬との付き合い方」

    年齢で見直しも必要? 高血圧・糖尿病の人の「薬との付き合い方」

    週刊朝日

    10/28

    健康寿命の要「腎臓」を守るには? 血管のケアが重要

    健康寿命の要「腎臓」を守るには? 血管のケアが重要

    週刊朝日

    6/18

  • 肉は食べたいだけ食べなさい! 75歳で変わる食事と病気リスク

    肉は食べたいだけ食べなさい! 75歳で変わる食事と病気リスク

    週刊朝日

    6/5

この人と一緒に考える

コラムをすべて見る

コメント

カテゴリから探す