その後、青葉容疑者は精神疾患の治療のため、薬が投与されたという。
それでも、時より先のような自傷行為に及ぶので、保護房という特別な部屋に入れられることもあったそうだ。何かを書くにも、ペン、ノートすら持つことが許されず、刑務官が貸し出していたという。
「よく青葉容疑者は、ペンやノートを借りていた。聞くと『小説を書いている』『アニメが大好きで、コンテストに応募する』と言うんですね。けど、とても文才があるとは思えない。ある時、少し読ませてもらったがアニメの主人公になるような若い女の子が登場するようなストーリーですが、誰が読んでも素人作品でした」(A氏)
その時、青葉容疑者は「俺って、才能があるんですよ」「いい作品を書いて応募したのが、パクられたんですよ」「自分の作品を、有名なアニメ監督が盗んでいる」「今、書いているのもいい作品。今度はパクらせないようにする」などと怒ったように言っていたという。
「よく聞くと、コンテストに応募したのに、それを主催者側が勝手に使ってアニメにしたというんです。最初は妄想みたいなこと言っているなと相手にしなかった。変なこと言って暴れると大変だから、それ以上は何も言いませんでした」(同前)
青葉容疑者の受刑生活は、安定したかと思えば、興奮して手が付けられないという繰り返しだったそうだ。Aさんによれば、アニメ、小説の話になるとスイッチが入ったように話が止まらなくなるという。当時、刑務所収監が初めてだった青葉容疑者は真面目に受刑生活を送れば、3年6カ月の懲役刑だが、かなり早く出所できたという。
「小説が盗まれたとか、変なこと言えば反省がないと、仮釈放に影響します。しかし、アニメや小説のことになると、我を忘れ、止まらなくなる。何しでかすかわからないような感じでした」
A氏が青葉容疑者について印象に残っているシーンがあるという。
「パクりが許せない」と青葉容疑者が興奮して言い始めた時のことだ。
「本当に腹が立つ。ガソリンを撒いて火をつけ、みな殺しだ。復讐だ」「もう計画ははじまっている」「秋葉事件(加藤 智大死刑囚)や大阪・附属池田小学校事件(宅間守元死刑囚)はすごかった。俺もやる」などと興奮して話したという。