現在出演している「なつぞら」で、お母さん役として朝ドラに帰ってくることができたのは本当にうれしいです。北海道開拓民の役なので、やっぱり寒いところで。渋谷のNHKのセットに入ったとき、土間があって、囲炉裏があって、むしろが周りにひいてあって……あれ、これどこかで見たことがあるなって(笑)。「おしん」の生家とどこか似ていて。とても懐かしい感じがしました。あ、帰ってきたんだなという感じがすごくあって、落ち着いた雰囲気の中、安心して撮影をすることができました。

 時代が変わっても、スタッフさんの優しさ、アットホームな感じというのは今も昔も全く変わっていません。そういう家族的な部分は朝ドラっていいなと感じますね。それが画面を通して伝わるのではないでしょうか。

 連続テレビ小説は、主人公がドラマとともに成長するのを描くなかで、視聴者の方もそれぞれどこかの役柄に自分を置き換えて見られるドラマだと思います。主人公をどこか応援したくなるような、皆さんの活力になっているような作品になっているんじゃないかなと思います。月曜から土曜日まで放送していることで、親近感もわくのでしょうし、誰にも起こることをドラマの中にうまく落とし込んでいて、肩ひじはらずに見られるドラマなんだろうなと思いますね。

 朝ドラが100作続き、そしてそれを見てくださるみなさんがたくさんいらっしゃるということはとても素晴らしいことだと思います。

 視聴者のみなさんに愛され、心に残る朝ドラがこれからも長く続くことを心から願っています。

(聞き手 本誌・太田サトル)

※週刊朝日オンライン限定記事