警視庁の捜査員が情報を意図的にリークしていることがわかってきた。

2013年に一人の刑事がAさんの会社にやってきた。

「これで本当に最後です。もう一度だけ、聞かせてください」

 断ろうと思ったが、B刑事が取り調べると聞き、気が変わった。立川市の警察施設にAさんは出向いた。取調べを担当するB刑事こそがAさん犯人説をマスコミに流していた張本人だった。取調室に入るとB刑事に対し、Aさんはこう激怒した。

「お前がオレの事、犯人だ、Aがやったに決まっている、ハワイで銃を撃っている写真があると、マスコミにリークしているのはわかってんだ。こら、いい加減にしろ」

 乱闘寸前になり、周囲の刑事が止めに入り、ことなきを得たという。
Aさんが取調べを受けたのは、50回以上だという。実はAさんが警視庁には話していない情報もあるという。

「事件直後、ある飲食店にナンペイのことを詳しく話をしていた男がやってきた。その人物はけん銃のことも自慢気に話していたそうだ。なぜ、警視庁は地道に調べようとしないのか」

事件から24年が過ぎ、元号も変わる。だが、事件は未解決のままだ。Aさんはこう語った。

「則ちゃんには時々、小遣いも渡していたんだが、彼女はそれを無駄遣いせず、まとまった金額を貯金していたそうだ。それを元手に彼女の子供さんがお墓を建てたと聞いている。平成もまもなく終わり。いつか手を合わせに行ってこようかと思っている」

(今西憲之)

※週刊朝日オンライン限定記事

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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