TAKAHIRO:そういう人もいるみたいですね。パワーを吸われちゃって。でも僕の場合はそれが気合に変わる感じがあって、体調が悪くても、アドレナリンでどうにかなってしまうみたいなところがあります。

林:そうなんですか。舞台のお芝居は、もう経験してるんですね。

TAKAHIRO:はい。一度だけやらせてもらいました。

林:舞台も難しいでしょう。

TAKAHIRO:そうですね。映像とは違う表現の仕方をしなければいけないですし、お客さんに届かないといけないので、セリフのボリュームというか、声量も映像とは違いますし、百八十度違うなと思いながらやってました。

林:一人ひとりのお客さんの顔が見えるなんていうのも、初めてのことなんじゃないですか。

TAKAHIRO:それがドームもけっこう見えるんですよ。特に無表情で見てる人とか、「あれ? もしかして楽しめてないのかな?」ってすっごい気になります(笑)。

林:あれだけの人数がいても?

TAKAHIRO:ええ。今、メンバーも多くて、一人ひとりファンがついてるんです。目の前で歌ってても、自分を見ないで、ぜんぜん違うほうを見てたりするので、「ちょっとはこっち見てよ」みたいな(笑)。

林:ドームのお客さんの顔が見えるって、ちょっと驚きでした。あんなにたくさんお客さんがいたら、一つの色としてしか見えないんじゃないかと思ってましたけど。

TAKAHIRO:けっこうはっきり見えるんです。以前番組か何かでも話したことがあるんですが、関係者席じゃなくて、最前列で旗を振りながら見てくださっていたのが(元俳優の)堀北真希さんで、ものすごく驚いた記憶があります。まさかそんなところにいるとは思わなかったですし。

林:へぇー。堀北真希ちゃんにもこのページに出ていただいたことがありますけど、「中学の部活の帰りにジャージー姿で歩いていたらスカウトされた」と言ってましたよ。やっぱり光る子ってそうなんですね。

TAKAHIRO:当時EXILEのファンクラブに入ってくれてて、ふつうにチケットを取って来てくれたそうです。

林:いい子じゃないですか。

TAKAHIRO:そうなんです。恥ずかしかったですけど。

(構成/本誌・松岡かすみ)

週刊朝日  2019年5月3日‐10日合併号より抜粋

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松岡かすみ

松岡かすみ

松岡かすみ(まつおか・かすみ) 1986年、高知県生まれ。同志社大学文学部卒業。PR会社、宣伝会議を経て、2015年より「週刊朝日」編集部記者。2021年からフリーランス記者として、雑誌や書籍、ウェブメディアなどの分野で活動。

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