「着けている間に吸収しきれずに外に漏れてくるようなら、サイズが合っていない証拠。もう少し大きめのサイズに変えましょう。重ねて装着するのはすき間ができたり、位置がずれたりしやすいので、おすすめできません」(西村さん)

 濡れたまま着け続けるのも良くない。臭いが気になるだけでなく、肌荒れや尿路感染などの原因にもなりかねない。

 おりもの用のパンティーライナーや生理用ナプキンで代用している人もいる。経血と尿とでは粘着度が違うため、生理用ナプキンでは尿は吸収しにくく、消臭効果も弱い。

「必ずしも専用品を使わなくてもいいのですが、生理用ナプキンで漏れて困るようなら、専用のものを使ったほうがいい。ティッシュペーパーで代用するのは、肌荒れや衛生面の問題があるのでやめましょう」(同)

 まだ認知度は高くないが、男性用のパッドや失禁パンツもある。パッドは尿道を全体的に包み込むような形が主流。横漏れしないように、下着はトランクスではなくボクサーやブリーフタイプにしたほうがいい。

 こうしたパッドなどの使用とあわせて実践したいのが、尿漏れしない体づくり。肛門を締めたり緩めたりする「骨盤底筋訓練」や、尿意を感じてもすぐにトイレに行かずに我慢する「膀胱(ぼうこう)訓練」などを続けることで、改善が期待できる。

「もう一つ大事なのは適正な水分量。トイレの回数とおおよその尿量をメモしておくと、1日の尿量が把握できます。普段より多ければ、水分を取りすぎている可能性があります。飲み物の量を少し控えるだけで、尿漏れは格段に改善します」(鈴木さん)

 排尿後尿滴下については、女性なら排尿後、尿道にティッシュペーパーを押し当てて吸収させると予防できる。男性なら、陰茎の裏側にある尿道を根元から先端に向けて押すことで、残った尿を絞り出す方法がある。鈴木さんによると、この方法でもうまく出せない人もいるが、まずは試してみるといいだろう。

 尿漏れが急に始まったり、漏れた尿の色がおかしかったり(濁っている、赤い)する場合は、別の病気が隠れている恐れも。病院で診てもらおう。(本誌・山内リカ)

週刊朝日  2019年4月12日号より抜粋