対策グッズの市場はシニア人口の増加により右肩上がり。ドラッグストアを訪ねると品ぞろえが豊富なことがわかるが、種類が多すぎて、どれを買えばいいのかわかりにくい。

 そこで購入や使用にあたってのポイントを、冒頭のエピソードを語ってくれた西村さんに聞いた。

「まず覚えておきたいのはドラッグストアでの売り場。比較的年齢が若い人が手に取りやすい『生理用品売り場』と、シニアが買いやすい『介護用品売り場の近く』の2カ所に置いてあります」

 薄めの尿漏れ用パンティーライナーや吸水ナプキンは、主に生理用品売り場にある。吸水パッドや紙パンツタイプは介護用品売り場の近くに。吸収量は「cc」で表記されていて、パンツタイプは使用回数も示している。

 サイズは自分の漏れる量から選ぶ。あらかじめ重さを計測し、使用後と比べれば正確な量がわかる。

「初めて使う方であれば、メーカーのお客様相談室に問い合わせることをおすすめします。状況を伝えれば適当なサイズを教えてくれますし、おすすめの試供品を送ってくれることもあります」(西村さん)

 トイレにすぐ行ける環境かどうかも重要だ。トイレの場所があらかじめわかるところなら、吸収量が少なめのタイプで十分。一方で、旅行やお花見など、行きにくいことが予想されるときは、いつもより多めのもの。スポーツ時には動くことを考え、ずれない紙パンツタイプを選ぶとよい。

 布製の失禁パンツもある。尿を吸収し消臭するパッドが一体になったもので、洗って繰り返し使えるので経済的だ。

 同じ吸収量でも吸水ナプキンとパッドでは違いがある。日本製紙クレシアの鳩貝義治さんは使い分けをこうアドバイスする。

「吸水の性能は同じでも薄さが違います。例えば、一度に50ccほど漏れてしまう方はパッドのほうが安心。ちょっとずつ漏れる方は吸水ナプキンでよいと思います」

 着用法は自分で工夫できる。お尻と下着の間にすき間があると横漏れしやすい。ガードルやスパッツなどをはいてお尻にフィットさせることで、すき間をなくせる。

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