だからいまだに娘には「ごめんなさい」って感じです。本人は気にしていないようですが、彼女はいま自分の子に対して完璧な母ですからね。仕事を持ちながらお弁当を作り、お誕生日にはケーキを焼いて……。

 娘には「あなた、エライわねえ!」って言うんですけど、私にやってもらえなかったぶんを自分の子どもにやってあげているのかな、私が反面教師になっちゃったかなと、ちょっと切なくもなりますね。

――最後に、これから挑戦したい仕事を聞いた。

 映画「サンセット大通り」でグロリア・スワンソンが演じた役。企画を出していて、実現するといいなと思っています。

 往年のスター女優が過去の栄光を忘れられず、最後は殺人をして狂ってしまうお話です。「ザ・女優!」のある種、成れの果てでもある。そういう女優の生きざまを演じてみたいなと思ってるんです。自分と真逆のタイプの役だから憧れるし、やってみたいんでしょうね。

(聞き手/中村千晶)

週刊朝日  2019年3月15日号