来年5月に十三代目市川團十郎の襲名を控える市川海老蔵さん。結婚前は歌舞伎界きってのモテ男として、数々の浮名を流しましたが、現在はよきパパとして2児の子育てに奮闘中。「今遊べばおもしろくなくなる」と語る私生活に作家の林真理子さんが迫ります。
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林:海老蔵さんのブログを見ると、いつもジムに行ってるか、お子さんたちのお世話をしてるか、劇場に行ってるかですけど、遊びに行ったり飲みに行ったりする時間はないんですか。
市川:今、一滴もお酒飲んでないです。元旦にお屠蘇(とそ)を飲んだだけ。去年も一滴も飲んでないです。
林:ほんとに? ちょっと寂しくないですか、それ。
市川:いや、それが酒ほど無駄なものはないという思考になってるんですよ。今はほぼストイックな生活をしてまして、今日も稽古があるので何も食べてないですし、いつも仕事のことを考えています。ただ半年に1回ぐらい、なんにも考えないで、タガがはずれたように好き三昧やる日が一日だけあるんですけど、昨日がまさにそれで。昨日は朝から男友達とそばを食べて、渋谷の街を歩いて、VR(バーチャルリアリティー)をやって遊んでストレス発散して、スクランブル交差点を見下ろしながらチョコバナナパフェを食べて。夜は友達のすし屋ですしをいただいて、家に帰ってから、アニメ動画を見ながら、シュガーバタートリュフのクレープを三つ食べて寝ました。これで十分なんですよ。
林:え~そんなのつまんない(笑)。
市川:つまらなくないです。女の子のいるところ、例えばクラブも昔はよく行っていた時期もありましたが、今はもう行かなくなりましたね。
林:だけど京都の南座に出るときは芸妓さんのいる座敷に行くんでしょう?
市川:ああ、もうないですね。確かに「芸の肥やし」っていうのは使える言葉かもしれない。お茶屋の子が最新の情報を持ってて、それを聞くために通うわけですよね。でも今、情報は私のほうが持ってるので、その時間があれば勉強したり、友人に会うほうが良いですよ。