このことは、後述するワインの健康問題とも関係してくるので、ここで覚えておいていただきたい。


 
 赤ワインの色は言うまでもなく赤色、ときに紫とか茶色とかになる。いずれにしても、赤系統の色になる。赤ワインの「赤」はどこからくるのかというと、これは果皮の色素、アントシアニンが溶け出したためにできた色だ。白ワインは実際には「白」色ではなく、透明、やや緑がかった、あるいは黄色がかった、時にオレンジっぽい色になる。
 
 もっとも、赤ワインにせよ、白ワインにせよ、時間が経つとどんどん色が変わってくる。造ったばかりの赤ワインでは鮮やかな赤色、紫色という「若々しい」色のことが多いが、何十年も保存した古い赤ワインだと琥珀(こはく)色、ややオレンジがかった色になることも多い。造ったばかりの「白」ワインも黄色や緑色といった新鮮な植物をイメージさせる色のことが多い。しかし、これを熟成させるとより黄色、橙色(だいだいいろ)が入ってくることがしばしばだ。
 
 さて、赤白以外の色のワインもある。例えば、ロゼワイン。これはピンク色のワインだ。基本的にはロゼワインは製造工程では赤ワインと白ワインの中間にあたる。赤ワインのように果皮と種子を入れたまま発酵させ、ちょっと色がついたらこれらを取り除き、あとは白ワインのように造る。極言すれば、ロゼワインは「むっちゃ薄く造った赤ワイン」だ。ロゼワインにはほかにもいくつか造り方があるが、ここでは割愛する。
 
 スパークリングワインは発酵の過程で作られる二酸化炭素をそのまま瓶に詰めて造る。思い出していただきたいが、アルコール発酵の過程で二酸化炭素(CO2)ができるのだ。この二酸化炭素ガスの入れ方にはいくつかあり、瓶の中で発酵させる場合(瓶内2次発酵)と、別の容器に移して発酵を進める場合とがある。シャルドネのような白ブドウも、ピノ・ノワールのような赤ブドウも使うが、果皮などは取り除くので、「赤いスパークリングワイン」というのはほとんどない。
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平たいグラスで飲んでいたのは…