特殊素材を使うこともあり、生産数が限られている。昨年の発売以来話題を集め、すぐに売り切れるという。スポーツ用品店「スーパースポーツゼビオ」東京御茶ノ水本店の担当者は、人気ぶりについてこう話す。

「今も毎日1件は問い合わせがあり、次の発売を待ち望む様子がうかがえます。9月の入荷時は在庫20足ほどに対し、70名ほどが朝から抽選に並びました。11月の入荷時は、60足がほぼ当日で完売しました」

 この靴は大学駅伝でもブーム。年初の箱根駅伝では、ナイキと契約する東洋大学が往路優勝。選手10人中8人が厚底シューズだった。10月にあった来年の箱根駅伝の予選会でも、履く選手が増えたようだ。

 この靴を履けば、だれでも記録が伸びるのか。「劇的に変えることは難しいですが、これを履いた選手も市民ランナーもよい記録を出しています」と酒井さん。

 最新モデルは税込み2万8080円。大人気ぶりをみると、記録更新を望むランナーにとっては高嶺の花ではないのかもしれない。(本誌・大塚淳史)

週刊朝日  2018年12月21日号