元中国人も「選挙に出たい」歌舞伎町“案内人”映画に 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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元中国人も「選挙に出たい」歌舞伎町“案内人”映画に

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北野隆一週刊朝日
ドキュメンタリー映画「選挙に出たい」のポスターと李小牧さん (c)朝日新聞社

ドキュメンタリー映画「選挙に出たい」のポスターと李小牧さん (c)朝日新聞社

 東京・新宿の歌舞伎町で“案内人”として知られる李小牧さん(58)に密着したドキュメンタリー映画ができた。テーマは元中国人の選挙運動だ。

 李さんは中国出身で1988年に来日。外国人観光客らに飲食店や風俗店を紹介する仕事で身を起こした。故郷の中国湖南料理のレストランも歌舞伎町で営業。ホストやキャバ嬢、ヤクザら、歌舞伎町の人々を描いた本で知名度を上げた。

 中国人の民主活動家との交流で政治に関心を持つようになった。「中国から来た私だって政治家になれる」と決意。2015年2月に日本国籍を得て、名前の読みを「リ・シャム」から「り・こまき」に改めた。

 同年4月の新宿区議選に立候補し1018票を得たが、最低当選ラインに400票余り及ばず落選。このとき密着したのが、日本の制作会社に就職し、ドキュメンタリー番組を撮っていた中国人ディレクター、ケイ菲(ヒ)さん(36)だ。ケイさんは「中国出身者が日本の選挙で当選したら歴史的なことだ」と考え、撮影を始めた。

 李さんが街頭で演説していると、「帰れ」と罵声を浴びせられ、差別について考えたことも。それでも運動は積極的に続けた。「自分は中国では立候補できないだろう。こうして選挙に出られただけでも、中国と違って日本は民主主義の国だと言えるんだ」という思いがあった。

 ホストやキャバ嬢らと話すうち、若者が政治に関心がないことを実感し、「選挙権があるのにもったいない。選挙に行きましょう」と呼びかけるようになった。

 こうした、選挙を通じて李さんが考え、変化していく姿をカメラが追った。ケイさんの初監督作品「選挙に出たい」(1時間18分)として、12月から東京などで公開される。

 李さんは19年4月の統一地方選で、新宿区議選に再び立候補するつもりだ。「外国人やマイノリティー(少数派)、歌舞伎町で働く人たちの代弁者になりたい」としている。(朝日新聞編集委員・北野隆一)

※週刊朝日2018年12月7日号


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