■脳卒中8つのリスク


・喫煙
・高血圧
・糖尿病
・脂質異常症
・大量飲酒
・メタボリックシンドローム
・心房細動
・慢性腎臓病

 脳卒中は、血管が詰まる脳梗塞と、血管から出血する脳出血、くも膜下出血に大別されます。それぞれで共通の原因と、固有の原因を持っています。

 特に注意すべきは高血圧で、脳梗塞と脳出血における最大の危険因子とされています。脳梗塞では、血管を詰まらせる大きな原因である動脈硬化を引き起こします。さらに、脳出血においては、高い血圧によって血管がダメージを受け続けることで、最終的には出血を引き起こしてしまいます。

 また、脳梗塞においては、不整脈の一種である心房細動にも注意が必要です。心房細動は、心臓が不規則なリズムを刻む疾患です。血液が正しく流れず心臓内にとどまり、血栓と呼ばれる小さな塊を作ることがあります。それが脳に流れ、血管を詰まらせることがあるのです。

「心房細動は脳卒中の危険度を4~8倍に、死亡率を2倍にするといわれています。逆に、発症している人に抗凝固薬で治療をすると、心房細動による脳梗塞を3分の1に減らせるといわれています」(内山医師)

 残りのくも膜下出血は、根本的な原因としては、脳血管に生じた脳動脈瘤(りゅう)や、脳の動脈と静脈が塊状になっている脳動静脈奇形が破れることが挙げられます。これらの発症自体を明確に防ぐ方法はありませんが、高血圧や喫煙など、血管をもろくする原因をなくすことで、破れる可能性を減らすことができます。もう一つ注意したいのが大量の飲酒で、明確なリスクとされています。

「危険因子をすべて是正すれば、脳卒中を8~9割は防げるといわれています」と、内山医師は強調します。

■心筋梗塞4つのリスク
・喫煙 
・高血圧
・糖尿病
・脂質異常
4つのリスクから次の疾患が生じるとさらに危険!
・PAD(末梢動脈疾患)
・慢性腎臓病

 心筋梗塞のほとんどの基盤は動脈硬化にあると、山科医師は説明します。

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心筋梗塞が再発しやすい理由